東北みらい創りフォーラムIInd Generation 2024
本フォーラムは、2012年から2019年まで岩手県で開催された「東北みらい創りサマースクール(2018年から東北みらい創りフォーラムに改称)」の基本理念「次世代復興担い手育成」を継承するとともに、震災教訓の風化抑止を目指すものです。そして、フォーラムの主役は「日豪ジュニアプロジェクト」および「愛のマゴの手プロジェクト」に参加するZ世代の若者達です。
「日豪ジュニアプロジェクト」では、東日本大震災被災地の中学生が毎年メルボルンに短期派遣され、2012年から2017年までに計34名が参加しました。一昨年3月のオンライン会合には、成長した彼らが初めて参集しました。
「愛のマゴの手プロジェクト」は、孫世代の学生が祖父母世代の被災地在住高齢者を、遠隔地からオンライン継続支援する情報弱者対策プロジェクトです。2020年からの累計支援件数は1,000件を超えています。
今回も両プロジェクトの参加者と彼らの応援団が一堂に会し、世代を超えたネットワーク作りを通して「気候変動に伴う食糧問題」について未来志向の議論を深めます。
次第(敬称略)
16:00 開会挨拶 齊藤惠子(日本女医会岩手県支部長)
主旨説明 鈴木 満(認定NPO法人心の架け橋いわて理事長)
来賓挨拶 達増拓也(岩手県知事)
代読:仲本光一(岩手県央保健所長)16:15 基調講演 「気候変動に伴う食糧問題」 島尾武文(東北農政局地方参事官)
座長とコメント:仲本光一
17:05 多世代リレートーク(20-80歳台7名)
18:00 総合討論 – 地球的環境課題の多世代間共有に向けて –
座長とコメント:樋口邦史(事業構想大学院大学教授)
18:25 みらい創り宣言 菊池風花
(日豪ジュニアプロジェクトおよび愛のマゴの手プロジェクト参加)
18:30 閉会挨拶 羽田恵子(元在メルボルン日本国総領事館総領事)
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基調講演要旨 気候変動に伴う食糧問題
農林水産省東北農政局岩手県拠点 地方参事官 島尾武文
1. 気候変動と農業の関係
・気候変動問題の歴史は長い(気候変動枠組条約1994年発効)
・農業は気候変動の影響を最も受けやすい分野のひとつ
2. 我が国の食料・農業・農村をめぐる状況
(1) 気候変動の影響
・洪水等の自然災害の頻発、大規模化
・昨年は高温で米の品質が低下 → 令和の米騒動
・昨年はりんごも不作
(2) その他の課題
・生産者の減少・高齢化
・食料自給率
3. 食料・農業・農村基本法の見直し
(1) 食料安全保障の確保
・世界各地の農業生産の不安定化、世界の人口増加への対応
・国内資源の有効活用 = 環境負荷軽減
(2) 食料システム
・持続可能な食料システム(調達、生産、加工・流通、消費)の構築
・食料システムの各段階で革新的技術・生産体系の開発
・消費分野の役割
4. 「食」について考えよう
・「食」の歴史
・「食」と「農」の距離
5. おわりに
・東北の可能性
・若者への期待