こころがけでは、多職種メンタルヘルス専門家によるサロン活動や住居への訪問、予防的啓発教育などを行っています。従来の病院での受診を中心とした医療サービスを補完し、早期受診と疾病予防につながる「新しい包括的地域健康医療モデル」を、活動のなかで実践し、地域に定着させてきたいと考えています。
震災ストレス相談室
毎週金曜午後、「岩手県こころのケアセンター」(岩手医科大学に委嘱)が運営する震災ストレス相談室(法テラス大槌)で、こころがけメンバーの精神科医師が相談業務に対応しています。 同じ医師が継続的に担当することで地域住民の方々との信頼関係を築き、「相談しやすい」場にしたいと考えています。
サロン活動
仮設住宅の集会場等で開催している「サロン」とは、気軽に立ち寄り、参加できる「茶飲み会(大槌では『お茶っこ』といいます)」。転倒予防やリラクゼーションのための運動体験、医師によるメンタルヘルス講話、気軽におしゃべりをする談話会、ときにはゲストを呼んで落語や音楽を楽しんでもらうなど、楽しく参加してもらう工夫をしています。地域の方々と直接触れ合うことで、心の変調への気づきを促して早期の相談につなげたり、セルフケア能力を高めるお手伝いをします。
こころがけ訪問
医療機関受診に消極的な方、通院が困難な方、高齢の方などメンタルヘルスの不調な方々のところへ、医師、看護師、臨床心理士、精神保健福祉士2〜4名から構成される「多職種アウトリーチチーム」が、自宅へ「出向く」訪問活動。早期の治療導入を促し、服薬助言等を行っています。
同行支援
社会福祉協議会の生活支援相談員に同行し、仮設住宅や災害復興住宅を訪問。日々の生活状況を伺いながら心身の健康問題を中心とした全生活ストレスについて共に傾聴、助言を行ってい
ます。生活支援相談員は現地の文化風土に精通した支援者であるとともに被災者でもあり、高い共感性を持って被災住民の見守りを行う存在です。私たちはその「サポート役」という立場で、血圧測定、健康相談といった専門性の高いニーズに特化した対応を心がけています。
職域における研修会
「男性に対する支援」が可能となる職域に焦点を絞り、復興支援事業者(企業や団体)が抱えている問題を把握し、その職場の状況や課題に沿った研修会を開催しています。被災者の生活の場に入るサロンや訪問活動は女性や高齢者が対象となることが多いため、その支援の対象から外れがちな勤労者を対象としています。