「多職種アウトリーチ」型メンタルヘルス支援

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アウトリーチ(=手を伸ばす)とは、サポートを必要とする人を病院や専門機関で「待つ」のではなく、地域や生活の場へ「会いに行って」ケアする支援のカタチ。こころがけは、多職種で構成されるメンバーの専門性とICTをいかしながら、行政、医療機関、支援団体、企業などとの連携のもと、生活全般に目を配るメンタルヘルス支援を行っています。

1.病院で「待つ」ではなく、生活の場へ「会いに行く」アウトリーチ型メンタルヘルス支援

fig5こころがけでは、地域住民からのニーズに応じて、精神科医師、精神科専門看護師、臨床心理
士、精神保健福祉士といった多職種のメンバーによる訪問面接「多職種アウトリーチ」を行っています。
心のケアを必要とする方が相談に訪れるのを、病院や専門機関で「待つ」だけだったこれまでのスタイルではなく、生活の場へと「会いに行く」アウトリーチ支援は、精神科医療に対するスティグマを持っている方や、敷居が高いと感じている方にもアクセスしやすく、症状の悪化を早期にくい止めることにつながります。またメンバーそれぞれの専門性をいかすことで、医療・保健・介護・福祉といった分野をまたぐ包括的な支援も可能になります。

2.全生活支援を前提としたメンタルヘルス支援

fig7被災地におけるメンタルヘルスケアの課題は、精神医療関係者の短期的な支援だけで解決できるものではありません。私たちは、2011年11月から現地に入り4年間にわたる活動を続けるなかで、そのことを実感しました。
大震災によって分断された地縁・血縁・職縁を再生することは、「心の復興」に欠かせない大切な作業です。そのためにはメンタルヘルスだけでなく、さまざまな分野の専門家と情報や課題を共有しながら、「全生活支援」を第一に考えた長期的・継続的な取り組みが必要だと考えています。

3.ICTを活用した「スマート・アウトリーチ」

fig6私たちの活動は、全国にちらばる多職種の専門家が交代で現地に赴く「出前型」支援です。遠隔地から大槌町までの移動に要する時間は多大であり、長期的な支援を継続するうえでも、これらの時間・距離を超えるための解決策が課題となっています。
こころがけではインターネットや情報通信機器などのICTを積極的に利活用しています。定期的な活動報告会などは、パソコンやタブレットを介して最大20カ所の遠隔地から参加できる「遠隔テレビ会議システム」を利用。同じシステムを車にも搭載し、移動中でも会議や相談に対応できる「スマート・アウトリーチ」の強化も図っています。これらICTの活用は、私たちが行っている遠隔地からのアウトリーチ支援を強力にサポートしてくれるものであり、今後発生しうる大災害の初期支援にも極めて有用であると考えています。